なぜ、一晩放置しただけで爆発的に湧き出るのか。原因はハエの驚異的な繁殖力にある。イエバエやクロバエなどの成虫は、腐肉や生ごみなどの有機物が放つニオイを感知し、数十メートル先から飛来する。一度に産み付ける卵の数は100個から200個。気温が25度〜30度を超える環境下では、わずか半日から1日で孵化する。気づいた時には大量発生しているという怪奇現象の種明かしは、この異例のスピード成長にある。
放置は極めて危険だ。ハエの成虫や幼虫は病原菌の媒介者であり、日本の厚生労働省やアメリカ疾病予防管理センター(CDC)も、感染症予防の観点から厳重な管理を推奨している。サルモネラ菌、大腸菌O157、黄色ブドウ球菌といった食中毒の原因菌を体に付着させて撒き散らすため、法律上も明確に衛生害虫として指定されている。万が一、食材や食器に触れれば健康被害に直結しかねない。