カツ丼作りで最も多くの人がつまずくのが、卵の仕上がりです。「気づいたら完全に固まっていた」「半熟を狙いすぎて生っぽさが残った」という失敗を防ぐ鍵は、卵の溶き方と2段階投入のタイミングにあります。
まず下準備として、卵2個をボウルに割り入れます。ここで重要なのは、白身と黄身を完全に混ぜ合わせないことです。菜箸をボウルの底につけたまま、白身のコシを数回切る程度(10往復ほど)にとどめます。白身と黄身の凝固温度の違い(白身は約60〜80℃、黄身は約65〜70℃)を利用することで、口当たりの良いグラデーションが生まれます。
煮込みの手順と玉ねぎを入れるタイミングは以下のステップで行います。
- 玉ねぎの加熱:鍋にタレと薄切りにした玉ねぎ(1/4個分)を入れ、中火にかけます。玉ねぎが透き通り、しんなりして甘みが出汁に移るまで1〜2分煮込みます。
- カツの配置:温めたとんかつを玉ねぎの上に手早く並べます。
- 1回目の卵投入:火力を中強火に上げ、タレがフツフツと泡立っている状態で、溶き卵の約3分の2(白身が多い部分)をカツの周囲から円を描くように流し入れます。フタをして約20〜30秒蒸らします。
- 2回目の卵投入と余熱:フタを開け、残りの卵(黄身が多い部分)をカツの中央中心に回しかけます。ここで直ちに火を止め、再びフタをして10〜20秒余熱で火を通します。
この時間配分を厳守するだけで、外側はふんわり固まり、中心はとろりとしたプロ顔負けの仕上がりが確実に完成します。