かつて昭和から平成初期にかけて、清水駅前銀座商店街は週末になると肩がぶつかり合うほどの買い物客で埋め尽くされていました。地元百貨店や大型スーパーが近隣に存在した時代、アーケード内は生活必需品から衣料品、娯楽まであらゆるニーズを満たす清水区最大の商業拠点でした。
しかし、郊外型大型ショッピングモールの台頭やモータリゼーションの進展、後継者不足が重なり、2010年代以降はシャッターを下ろす店舗の比率が約35〜40%前後に達する時期が続きました。ネット上で「寂れてしまった」「昔の面影がない」と驚きの声が上がる背景には、全盛期を知る世代のノスタルジーと、現在の静けさとの落差があります。
現場を歩くと、単なる衰退一辺倒ではない新しい息吹がはっきりと確認できます。歴史ある精肉店や青果店が暖簾を守る真横で、元呉服店の建物を改装したコーヒースタンドやクラフトビールバーが営業を開始し、20代〜30代の若年層やインバウンド客が足を止める光景が見られるようになりました。「古き良き昭和の残影」と「モダンなリノベーション空間」の混在こそが、現在の清水商店街を特徴づける最大の要素です。