飼い主が最も警戒すべきは、あくびの「頻度」と「同時に起こる異常な仕草」だ。1分間に何度もクチバシを開け、首を左右に振ったり食べ物を吐き戻そうとする動作が続く場合、それは重篤な疾患のシグナルである可能性が高い。
代表的な疾患の一つが、食道の一部である嗉嚢(ソノウ)に真菌や細菌が繁殖して強い炎症を引き起こす薗生炎だ。粘液の停滞や粘膜の発赤による強烈な違和感から、鳥は喉の不快感を取り除こうとしてあくびのような開口動作を執拗に繰り返す。また、ヨウ素不足や遺伝的素因によって首元の器官が膨張する甲状腺腫も深刻な原因となる。巨大化した甲状腺が気管や食道を圧迫し、慢性的な呼吸困難に陥ることで、空気を必死に吸い込もうと何度もクチバシを開くのだ。
臨床の最前線に立つ鳥類獣医学の現場においても、これらの病態を初期段階で鑑別診断できるかどうかが生存率を大きく左右する。