シリーズ屈指の大ヒット作『ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎哀歌』において、小沢仁志が演じたヘビ次は、まさに観客を恐怖のどん底に突き落とす存在だった。スキンヘッドに剃り落とした眉、冷酷無比な暴力性。小沢自身が後年明かしたところによれば、現場入りする前の段階から周囲を威圧する空気作りを徹底していたという。
当時の現場は、危険と隣り合わせの連続だった。スタントマンを使わず、生身の俳優同士が激突する肉弾戦。本物のガラス窓を突き破り、コンクリートの床へ容赦なく叩きつけられる。打ち合わせにないアドリブの打撃が飛び交うことも日常茶飯事だった。小沢は「怪我をして当たり前、病院に行くのは撮影が終わってから」という凄まじい覚悟で現場に臨んでいた。まさに骨折や打撲を顧みない男たちの執念が、あのフィルムに焼き付いている。