飼育検討者が最も見落としがちなのが、日常的なケアの労力と必要なアクティビティの要求水準です。SNS上で見る優雅な姿の裏側には、毎日の地道なメンテナンスが存在します。
抜け毛とお手入れ:被毛の美しさを保つ「毎日のブラッシング」
コーイケルホンディエの被毛は、上毛と密生した下毛からなるダブルコートです。特に春と秋の換毛期には、小型犬とは比較にならない大量のアンダーコートが抜け落ちます。室内飼育の場合、毎日の掃除機がけはもちろん、最低でも1日1回、換毛期には1日2回のスリッカーブラシやコームによるブラッシングが欠かせません。
また、本犬種の最大の外見的特徴である耳先の黒い飾り毛「イヤリング」や、尾の豊かな飾り毛は、毛玉になりやすく埃を巻き込みやすい部位です。幸いにもトリミング犬種(プードル等)のように全身を定期的にカットする必要はありませんが、定期的なシャンプーと耳掃除、足裏の毛の処理といったベーシックケアを怠ると、皮膚炎や外耳炎のリスクが急上昇します。
散歩と運動量:単なる「歩くだけの散歩」では満足しない
現役の愛犬家への取材やコミュニティの生の声を集約すると、運動要求量の高さに驚く声が多数寄せられています。
「散歩は朝夕それぞれ40分〜1時間、合計で最低でも毎日1時間半は確保しています。雨の日だからと散歩をサボると、家の中で走り回り家具を噛んでアピールしてきます。運動不足はそのまま問題行動に直結します」(都内マンションで暮らす30代飼育者)
コーイケルホンディエは、単に肉体的な疲労を求めるだけではありません。知的好奇心を満たす「頭を使う作業」を強く求めます。ボール投げのレトリーブ運動、アジリティ(障害物競走)、匂いを追わせるノーズワークや知育トイを活用した遊びを取り入れなければ、真の意味で満たされた状態にはなりません。都市部の多忙なビジネスパーソンや、散歩の時間を十分に割けない家庭にとっては、この運動欲求の充足が最大の壁となります。