緊急事態宣言は、新型インフルエンザ等対策特別措置法(特措法)第32条に基づき、内閣総理大臣が政府対策本部を開いて発令します。恣意的な判断を防ぐため、法律上厳格な要件が定められています。
判断の根拠となる中核は「国民の生命および健康に著しく重大な被害を与えるおそれ」と「全国的かつ急速なまん延により国民生活や国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれ」の2点です。実務上は、重症病床使用率や確保病床の逼迫状況、新規陽性者の増加比、感染経路不明割合などの指標を多角的に分析します。
宣言の発令から解除までの標準的なプロセスは以下の通りです。
まず厚生労働省や専門家組織が感染状況や医療提供体制を評価し、政府が原案を作成します。続いて学識経験者で構成される諮問委員会へ諮り、了承を得た上で国会への事前報告を実施。その後、政府対策本部で正式決定され、対象地域と期間が官報に公示されます。
解除時期の判断も同様に慎重に行われます。病床使用率が一定基準を下回り、医療逼迫が解消に向かっているか、新規感染者数が減少傾向を維持しているかを確認した上で、専門家への諮問を経て解除が宣言されます。