菊地凛子が世界のトップステージに躍り出たきっかけは、2006年公開のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作『バベル』でした。聾唖の女子高生・綿谷千恵子役を演じ、全米批評家協会賞新人賞を受賞したほか、日本人女優としては49年ぶりとなる米アカデミー賞助演女優賞ノミネートという快挙を成し遂げました。
しかし、その華々しい栄光の裏には、10代の頃からの地道な下積み時代があります。1990年代後半に本名の「菊池百合子」名義でモデルとしてキャリアをスタートさせた彼女は、新藤兼人監督の映画『生きたい』でスクリーンデビューを飾ります。
2004年に現在の芸名へと改名し、自分自身の手で道を切り拓くべく『バベル』の過酷なオーディションへ挑戦。1年近くに及ぶ選考と手話の猛特訓を経て役を勝ち取った執念こそが、彼女のキャリアを決定づける転換点となりました。