主犯の死亡後、司法の裁きは従属的に犯行へ加担した親族や共犯者たちに向けられました。その中で最も注目を集めたのが、角田の長男の妻であり、義理の娘として犯行に深く関与した角田瑠衣(るい)です。
角田瑠衣は元々被害者家族の一員でありながら、角田美代子に取り込まれて共犯者へと転じ、大江さん事件や高松の親族に対する監禁・傷害致死などの罪に問われました。裁判ではマインドコントロール下での責任能力が争点となりましたが、2015年に懲役23年の実刑判決が確定しました。現在も刑務所に服役中とみられていますが、被害者から加害者へと反転した複雑な立場は、この事件の構造的な残虐性を象徴しています。
一方、事件を奇跡的に生き延びた尼崎事件の生き残りたちの現在は、決して平穏なものではありません。自らの手で肉親を傷つけてしまったという拭い去れない罪悪感、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、財産の喪失、そして世間からの偏見に苛まれながら、人目を避けるようにして過酷な人生を歩み続けています。