なぜ二人は籍を入れないのか。そこには、60代半ばを迎えた船越の慎重な姿勢と、現代的な家族観が存在する。一度目の結婚で負った深い傷は、そう簡単に癒えるものではない。また、籍を入れることで生じる法的な手続きや、親族間の調整など、シニア世代ならではの現実的な問題も横たわっている。
近年、日本でも急増している「事実婚」や「パートナーシップ」という選択肢は、彼らにとって最も心地よい距離感なのかもしれない。形にこだわらず、精神的な繋がりを重視するスタイルは、成熟した大人同士だからこそ成立する関係性だと言える。