丸亀製麺ファンにとって毎月1日の風物詩といえば、看板商品が半額で提供される「釜揚げうどんの日」です。しかし、1月1日の元旦に限っては、全国どの店舗であっても「釜揚げうどんの日」は開催されません。営業しているショッピングモール店舗であっても、通常価格での提供、あるいはお正月限定メニューへの誘導が行われます。
この休止措置には、外食産業が直面する深刻な人手不足と、労働環境の健全化という明確な社会的背景が存在します。もともと1月1日は初詣客や初売り客で商業施設がごった返す日です。ただでさえオペレーション負荷が極限に達する元旦に「半額イベント」を重ねてしまえば、厨房の混乱や提供遅延を引き起こし、現場で働くクルーに過重なストレスを強いることになります。
親会社であるトリドールホールディングスは、ESG経営および人的資本の充実を掲げており、従業員満足度の向上を経営戦略の根幹に据えています。無用な価格破壊イベントで現場を疲弊させるのではなく、お正月は家族と過ごす時間を確保させ、出勤するスタッフには限定メニューで安定したサービスを提供させる。この英断によって、元旦の半額休止と路面店の一斉休業というフォーマットが確立されました。利用者側も「元旦は安さを求める日ではなく、祝いの場である」と認識を改める必要があります。