映画の公開当初から、カスタムファンの間で最も激しい議論を呼んだのが「あの怪物のベースは何なのか」という点だった。結論から言えば、雨宮兄弟が駆る漆黒のマシンの心臓部には、世界最高峰の二輪ブランドであるハーレーダビッドソンが君臨している。
弟・広斗(登坂広臣)の愛車は、ハーレーのソフテイル系やV-RODの筋肉質なフォルムを限界まで切り詰めたドラッグ・ボバースタイルが色濃い。低く構えたロー&ロングの車体、路面を掴む極太のリヤタイヤ、そしてフロントマスクを鋭く引き締めるワンオフのビキニカウル。無駄な外装を徹底的に排除したストイックなシルエットは、彼の研ぎ澄まされた格闘センスそのものを体現している。
一方、兄・雅貴(TAKAHIRO)が跨がるマシンは、チョッパースタイルの血脈を感じさせる攻撃的なアップスイープのマフラーと伸びやかなフロントフォークが特徴だ。エンジン本来のメカニカルな美しさを剥き出しにしつつ、どこか色気と余裕を漂わせる佇まいは、軽妙洒脱でありながら拳を握れば無敵を誇る雅貴のキャラクター性と完全なシンクロを見せている。