バトル漫画における味方化した元・敵キャラクターは、強さのインフレに置いていかれてコメディ専用要員(いわゆる「ヤムチャ化」)してしまうリスクを常に抱えている。しかしベジータが凄まじいのは、ギャグキャラとしての面白さを十二分に発揮しつつも、作中トップクラスの戦闘力と格調高さを一切損なっていない点にある。
どれほど珍妙な行動をとろうとも、次の瞬間に本気で怒れば宇宙を揺るがすパワーを解き放つ。この「圧倒的な強者」というバックボーンが存在するからこそ、彼がみせる日常のズレや勘違いが単なる落ちぶれではなく、最高品質の上質なギャグとして成立しているのだ。