なぜ幼き日の赤の女王(本名:イラスベス)は、頭を強打するほど取り乱して王宮を飛び出してしまったのか。その引き金となったのが、ファンの間でも語り草となっている「タルト事件の真相」です。
事の発端は、母親が大切にしていた最後のタルトを、妹である白の女王(本名:ミラナ)が盗み食いしたことでした。ミラナは自分の部屋でタルトを食べた後、残ったパンくずを姉イラスベスのベッドの下へと意図的に掃き込み、罪を擦り付けたのです。
母親から厳しく問い詰められた際、イラスベスは「私は食べていない」と必死に無実を主張しました。しかし、ベッドの下からパンくずが見つかったことで、母親は妹ミラナの「食べていない」という嘘を信じ、イラスベスを嘘つき呼ばわりして激しく叱責しました。最愛の母親から信じてもらえず、周囲の誰もが自分を疑いの目で見るなか、絶望したイラスベスは城を駆け出し、あの悲惨な頭部強打事故を引き起こすことになります。
大人になり、王位継承の儀式において頭のサイズに合う王冠が破損して民衆から大爆笑された際も、妹ミラナは真実を告白しませんでした。赤の女王が抱く白の女王との過去の確執は、単なる姉妹喧嘩の域を超え、「愛と信頼をすべて妹に奪われた」という奪還不能な喪失感に根ざしていたのです。赤の女王が「かわいそうな理由」としてSNSや映画コミュニティで深く共感を集める根拠が、この痛ましい冤罪劇に集約されています。