セルフピアッシングによる事故の急増に対し、医療界からも強い警鐘が鳴らされている。日本美容外科学会などの専門家組織では、不適切な軟骨ピアッシングに起因する耳介軟骨膜炎やケロイド形成の症例が頻繁に報告されている。
耳の軟骨には血管が通っていないため、一度細菌感染を起こすと白血球や抗生物質が患部に届きにくい。最悪の場合、軟骨が融解して耳がカリフラワー状に変形し、形成外科的な再建手術が必要になるケースすら存在する。こうしたリスクを回避するため、最近では自力での開孔を諦め、美容医療を提供するクリニックの門を叩くユーザーが急増している。
都内の美容皮膚科医は、「アンテナヘリックスは神経や血管の位置、耳の軟骨の厚みを触診で診断した上で開けるべき部位。局所麻酔を用い、滅菌環境下で医療従事者が施術を行うことで、感染症やトラウマのリスクを劇的に下げられる」と指摘する。自傷行為に近い乱暴なセルフ施術から、安全を買う医療施術へ。若者たちの意識にも変化が芽生え始めている。