リスクばかりに目を奪われると客観的な判断を失いがちです。選択にあたっては、無痛分娩の医療的な長所と短所を公平に把握しておく必要があります。
最大のメリットは、陣痛の激痛をコントロールすることで産婦のパニックを防ぎ、体力を温存できる点です。痛みに伴う過換気や極度の血圧上昇を抑えられるため、心臓や血管に持病を抱える妊婦にとっては医学的にも有益な選択肢となります。また、産後の疲労回復が早く、スムーズに新生児の育児をスタートできる点も高く評価されています。
一方のデメリットとしては、麻酔の影響で骨盤底の筋肉が弛緩し、陣痛が弱まる(微弱陣痛)ケースがあることです。これにより、分娩時間が延びたり、吸引分娩や鉗子分娩が必要になる頻度が自然分娩よりやや高くなります。さらに、硬膜穿刺後の頭痛や一過性の発熱、下肢のしびれ、追加の医療費(自費診療で概ね10万〜20万円程度)が発生する点も事前の織り込みが必要です。