近年、日本各地で懸念される大地震や激甚化する気象災害。巨大都市の中心部に位置する高層ビルにおいて、事業継続計画(BCP)の実行可能性はテナント企業にとって死活問題である。2026年現在の防災基準は、単に「建物が倒壊しない」レベルをはるかに超えている。
制震・免震構造の強化はもちろんのこと、72時間以上の自立運転を可能にする非常用発電設備や、大規模な雨水貯留槽の配備が今や標準装備となった。さらに、災害時には帰宅困難者の受入スペースとして機能する公共的空間の確保も進められている。都市のインフラが麻痺した瞬間にも止まらない安全基盤。これこそが、都心部の超高層建築に課された新たな社会的責任なのだ。