舞台演劇において、大竹しのぶの代表作となった『ピアフ』。エディット・ピアフの数奇な生涯を演じる彼女の姿は、もはや演技の領域を超えて霊媒の域に達していると評される。愛を叫び、歌に命を削るその姿に、中村晃子が歌の世界で表現し続けてきた「女の業」や孤独が重なる。
歌と芝居の境界線を取り払うこと。声の掠れ一つに人生の重みを乗せること。二人がそれぞれのフィールドで培った演技論は、机上の理論ではない。肉体を極限まで使い切ることでしか到達できない場所があることを、彼女たちのステージは残酷なまでに証明している。