かつて、東京・神保町の小学館ビルには、原稿用紙を抱えた若者たちが列を作っていた。今、その光景は過去のものとなりつつある。
オンライン投稿システムの普及により、地方在住の学生や、海外からのエントリーが劇的に増加した。物理的な距離という障壁が消滅したことで、これまで埋もれていた異色の才能が発掘されるケースが増えている。その一方で、編集者と対面でネームを揉み合う「泥臭い育成プロセス」が希薄化しているという懸念も少なくない。デジタルで繋がりながらも、いかに濃密な人間関係を築けるか。作家と編集者の新しい距離感が模索されている。