秋山氏のキャリアの真髄は、徳島県警における42年間の叩き上げの軌跡にあります。高校卒業後の1979年に徳島県警察官を拝命。交番勤務からスタートし、類いまれな洞察力と執念深さを買われて刑事警察の道へ進みました。徳島県警察本部刑事部捜査第一課次席、阿波警察署次長、生活安全部生活安全企画課長など、重要ポストを歴任した秋山刑事の経歴は、現場捜査のエリートそのものです。
その名を全国に轟かせた契機が、各局で放送された警察密着24時をはじめとする警察ドキュメンタリー番組でした。リーゼントヘアをピシッと固め、鋭い視線で被疑者と対峙する姿は、視聴者に強烈なインパクトを与えました。しかし、彼の真骨頂は外見の派手さではなく、取り調べにおける圧倒的な「人間力」にありました。
鳴門市や徳島市で発生した凶悪殺人事件、さらには全国を震撼させた重要指名手配被疑者の追跡など、数々の難事件を担当。捜査員が何日も徹夜を重ねて証拠を積み上げる現場において、秋山氏は「犯人の心を開かせるには、まず相手を一人の人間として向き合うこと」を徹底しました。怒号を浴びせるのではなく、相手の生い立ちや心の歪みに寄り添いながら自白を引き出すスタイルは、警察内部でも高く評価されていました。