ネット検索で「BOOK AND BED TOKYO」と入力すると、サジェストに「倒産」「閉店理由」といったネガティブな語句が並びます。泊まれる本屋として話題を呼んだBOOK AND BED TOKYOの現在は一体なぜ注目されているのか。その背景には、2026年から2026年にかけて起きた観光・宿泊業界の地殻変動と、BOOK AND BED TOKYOの倒産経緯をめぐる報道のインパクトがありました。
もともと同ブランドを立ち上げ運営していたのは、セレクト系不動産ポータルサイトを展開する株式会社アールストアでした。2015年11月に池袋で1号店を開業すると、「本を読んでいたら寝落ちしてしまった」という至福の瞬間を体験に変える空間設計が爆発的な支持を集め、京都、福岡、浅草、新宿、心斎橋へと急速に拠点を拡大しました。客室稼働率は連日9割を超え、宿泊客の約3割を外国人観光客が占める大ヒットモデルとなったのです。
しかし、2026年初頭に襲来した新型コロナウイルス感染症がビジネスモデルの急所を直撃しました。インバウンド需要の完全蒸発と国内の移動自粛が重なり、都心の一等地に抱えていた重い固定賃料が経営を圧迫。2026年春、運営会社に関わる民事再生手続や事業譲渡、そして池袋本店や浅草店、京都店などの相次ぐ撤退が報じられたことで、「ブランドそのものが完全に消滅した」という誤認が世間に定着してしまいました。
これがBOOK AND BED TOKYOの閉店理由の根幹です。しかし、ブランドの灯火は完全に消えたわけではありません。事業整理と運営母体の刷新を経て、旗艦店の一つであった新宿店は営業を継続。BOOK AND BED TOKYOの運営会社の真相を探ると、従来のインバウンド依存型ホステルから、国内の都市生活者を取り込むデイリーユース空間へとドラスティックな事業転換を図っていた事実が浮かび上がってきます。