措置入院は「危険を回避するための行政処分」であるため、無期限に継続されることは法的に許されません。精神症状が薬物療法や集中的なケアによって鎮静化し、自傷他害のおそれが消失した時点で、知事は直ちに措置を解除(退院)しなければならないと定められています。
厚生労働省の医療統計によると、急性期集中治療の進展により、措置入院患者の平均在院日数は大幅に短縮傾向にあります。多くの場合、数週間から数か月程度で症状の安定化が図られます。自傷他害の危険が去った後は、本人の病状に応じて以下の3つの進路が選択されます。
- 措置解除による即時退院:地域生活への復帰、通院・デイケア治療への移行。
- 任意入院への移行:本人が病識を持ち、自らの意思で継続入院を希望する場合。
- 医療保護入院への切り替え:自傷他害の恐れはなくなったものの、病識が不十分で治療の継続が必要であり、家族等の同意が得られる場合。
万が一、本人が「不当に長期間拘束されている」「すでに症状は治まっている」と考える場合、法的な救済手段として精神医療審査会への審査請求(退院請求・処遇改善請求)を行う権利が保障されています。患者本人または保護者は、各都道府県に設置された独立機関である精神医療審査会に対し、書面または口頭で退院を求めることができ、第三者の医師や法律家による再審査が迅速に実施されます。