一方で、ドライカレーは日本で独自の進化を遂げたドメスティックな料理だ。その起源は大正時代、日本郵船の豪華客船「弥栄丸(やさかまる)」の食堂で、食欲のない乗客のために考案されたメニューが始まりとされている。汁気のないドライな仕上がりからその名がついた。
日本のドライカレーには大きく分けて2つの系統が存在する。ひとつは、ひき肉と野菜を炒めて水分を飛ばし、ご飯の上に乗せる「キーマ風」のタイプ。もうひとつは、カレー粉を用いてご飯と具材を一緒に炒めた「カレーピラフ・チャーハン風」のタイプだ。どちらにせよ、共通しているのは「お皿の上に汁気(水分)がほとんど存在しない」という状態そのものを指している点である。