こころのこりは非常に繊細な部位であり、仕込みの手間と火入れの技術によって仕上がりが劇的に変化します。現場の職人が徹底している仕込みのポイントと焼きの工程を紐解きます。
1. 徹底的な血抜きとトリミング(下処理)
大動脈の内部には血液の塊(血餅)が残りやすく、これが残存すると焼き上がりに生臭さや苦味の原因となります。プロの現場では以下の工程が欠かせません。
- 血管の切り開きと血抜き:包丁の先で太い血管を縦に開き、内部に溜まった血を丁寧に水や塩水で洗い流す。
- 過剰な脂のトリミング:適度な脂は旨味の源泉ですが、多すぎると炭火に脂が落ちすぎて燻煙がつきすぎ、味が濁るため、バランスを見極めて余分な脂を削ぎ落とす。
- 酒洗い・水気の完全除去:振り酒で清めた後、清潔なペーパーで水分を徹底的に拭き取ることで、炭火の熱がダイレクトに伝わる状態を作る。
2. 強火の遠火による絶妙な火入れ(焼き方)
こころのこりの焼き方は、「外側をカリッと焼き固め、中のジューシーな脂と弾力を閉じ込める」のが鉄則です。脂分が多いため、炭火の直上に置くと炎が立ち上がりやすく、煤(すす)がついて苦味の原因になります。職人はうちわで風を送り火力をコントロールしながら、脂を適度に落としつつ香ばしく焼き上げます。