馬陽の戦いにて、趙国の智将・李牧の計略と龐煖の圧倒的な武の前に倒れた王騎。死に際、自らの愛馬の上で信へ言葉を遺し、あの大矛を手渡したシーンは、歴史スペクタクルアクションとしての本作における白眉である。飛信隊を率いる若き隊長・信にとって、その手に残された感触はあまりにも重かった。
王騎という存在が背負っていたものの大きさ。それは単に筋力や体幹の強さだけで扱える代物ではなかったのだ。矛を手にした初期の信は、自らの剣による戦闘スタイルから脱却できず、矛の威力を引き出すどころか、その重圧に押し潰されそうになっていた。