伊豆半島を南北に縦断する観光有料道路「伊豆スカイライン」には数多くの展望台が点在していますが、その中でも一宇田展望台が特別な存在として語り継がれる最大の理由は、「西側視界の圧倒的な開放感」と「車内鑑賞に適した傾斜設計」にあります。
静岡県函南町の稜線沿いに位置するこの展望台は、西向きに視界が大きく開けています。晴天の昼間には、駿河湾の青い海原の向こうにそびえる富士山と愛鷹山連峰、そして沼津・三島市街地から遠く富士市・静岡市方面までを一望できます。夕刻になると駿河湾が茜色から紫紺へと染まりゆくドラマチックな日没が広がり、夜の帳が下りるにつれて街の灯りが宝石のように煌めき始めます。
特筆すべきは、駐車スペースのレイアウトです。駐車区画が西側のパノラマに向かって前傾するように配置されているため、「車から一歩も降りずにフロントガラス越しに夜景をフルパノラマで堪能できる」という稀有な鑑賞環境が整っています。冬場の厳しい寒さや強風の日であっても、快適な車内温度を保ったままロマンチックな時間を過ごせる構造が、多くのドライバーやカップルを惹きつける決定的な要因となっています。