歌謡界での大成功を経て、次なる活躍の場となったのがテレビの時代劇だった。中でも代表作となったのが、大人気シリーズ『必殺仕事人V・激闘編』だ。彼が演じた殺し屋・壱(いち)は、普段はおどけた町人でありながら、裏の稼業では冷徹な刃を振るう二面性を持ったキャラクターだった。
扇子や素手を武器に、音もなく標的を仕留める鮮烈なアクション。舞台で磨き上げた完璧な間合いと身体能力が、映像の世界で見事に結実した。映画スターにも引けを取らない存在感は、お茶の間の男性層をも唸らせ、大衆演劇の枠を完全に超えた本格派俳優としての地位を不動のものにした。