ネット上のQ&AサイトやSNSでは、「自分は家具をほとんど持っていないミニマリストだから、家財保険は不要。借家人賠償責任保険だけに単体加入して保険料を極限まで削りたい」という声が散見されます。しかし、結論から言うと借家人賠償責任保険の単体加入は、日本の損害保険実務上ほぼ不可能です。
借家人賠償責任保険は、法律上の位置づけとしてあくまで「家財保険(主契約)に付帯する特約」として設計されています。そのため、借家人賠償を付けたい場合は、最低限の家財保険(保険金額100万円など)を主契約として契約しなければなりません。
もう一つの重大な盲点が「免責金額(自己負担額)」の設定です。保険料が相場よりも極端に安いプランの中には、免責金額が「3万円」や「5万円」に設定されているものがあります。これは、例えばボヤを出して床の焦げ跡修繕に8万円かかった場合、免責金額が5万円なら保険金は差額の3万円しか下りず、5万円は自腹を切らなければならないことを意味します。少額のトラブルほど頻繁に起こる賃貸生活において、数百円の保険料をケチって高い免責金額を設定することは、結果として手痛い出費を招く原因になります。