世間一般のユーザーは、この孫氏の収入構造をどのように受け止めているのでしょうか。ネットコミュニティや経済ニュースのコメント欄を定点観測すると、驚きと羨望、そして税制に対する複雑な感情が入り混じっています。
「役員報酬1億円と聞いて『意外と質素だな』と勘違いしていたが、配当で毎年200億入ってくると知って言葉を失った」「サラリーマンが額面1,000万円でガッツリ所得税と社会保険料を取られているのに、200億円稼ぐ富豪が税率20%の分離課税なのは制度としてどうなのか」といった、格差社会の象徴として捉える声が根強く存在します。一方で、「ゼロから世界的なメガ企業を築き上げ、数万人の雇用を生み出した創業者なのだから、200億円の配当など当然の正当な対価だ」という起業家精神への敬意も多く見られます。
決算説明会の壇上や記者会見の場で、孫氏が見せる表情と肉声には、特有の凄みが宿っています。赤字に沈んだ決算会見で「嵐の海に小舟で漕ぎ出すようなものだ」「眠れない夜もあった」と珍しく翳りのある表情を浮かべたかと思えば、AIブームが再燃し英アームの時価総額が高騰した際には、少年のように目を輝かせながら自らの使命を語りました。
「私は人生の残り時間をすべて、超知能(ASI)の実現に注ぎ込みたい。お金を墓場に持っていく気は毛頭ない。すべては次の文明を創るための投資原資だ」
この言葉に象徴されるように、彼にとって年間200億円の配当金や数兆円の総資産は、個人の贅沢な消費を賄うための道具ではなく、人類の歴史を書き換える巨大なゲームをプレイし続けるための「チップ」に過ぎないことが窺えます。