現代戦術における左サイドバックの役割は多岐にわたる。単なるタッチライン際の上下動にとどまらず、インサイドレーンへの侵入やビルドアップへの関与が求められる時代だ。その中でヌーノ・メンデスが見せるプレーは、まさに現代フットボールの理想形を体現している。
特筆すべきは、守備から攻撃への局面移行時に見せる圧倒的な推進力だ。相手のプレスを一瞬で無力化するファーストタッチと、時速35キロを超えるトップスピードで一気に敵陣深くへと侵入。ルイス・エンリケ監督の緻密な戦術構造の中で、単独で局面を打開できる切り札として機能している。