展示の中心を成すのは、原作者・北条司が生み出した膨大な生原稿の数々だ。インクの掠れ、ホワイトによる修正痕、スクリーントーンの繊細な重ね貼り。印刷物では決して味わえない生々しい筆圧が、ガラス越しに観る者の胸を打つ。
伝説の始棒である冴羽獠の冷徹なスナイパーとしての横顔と、普段のお調子者な一面とのギャップ。そして、相棒であり魂のパートナーである槇村香が見せる健気さと激しい感情の起伏。ふたりの微妙な距離感が描かれた名シーンの複製原画エリアには、涙を浮かべながら立ち尽くすファンの姿も珍しくない。初期の『週刊少年ジャンプ』時代に株式会社集英社から刊行された単行本の表紙原画から、現在版権を管理する株式会社コアミックス所蔵の貴重な未公開カラーイラストまでが一堂に会する空間は、まさに奇跡と呼ぶにふさわしい。