天文学的に低いとされる雷の被害ですが、具体的な数値で検証すると日常に潜むリスクの輪郭が浮き彫りになります。警察庁および消防庁の事故事例データ、気象庁の気象災害統計を総合分析すると、日本国内における落雷による人的被害は年間平均で約10〜20件、そのうち死亡者は年間2〜3人程度で推移しています。
日本の総人口を約1億2000万人として単純計算すると、1人の人間が1年間に落雷被害に遭う確率は約1000万分の1〜1200万分の1です。人生80年として生涯被雷確率を換算した場合は約12万分の1から15万分の1にまで跳ね上がります。
ここでよく引き合いに出されるのが「年末ジャンボ宝くじの当せん確率」との比較です。年末ジャンボ宝くじで1等(7億円)に当選する確率はユニットあたり2000万分の1と公表されています。つまり、単年で見ても「1年間で雷に打たれる確率」は「宝くじの1等を当てる確率」の約2倍高いという衝撃的な計算が成り立ちます。
広大な平地や山頂、開けた海辺など「雷雲の下で孤立した突起物」になりやすい環境に身を置いている瞬間だけで見れば、局所的な被雷リスクは数千分の一から数百分の一にまで一気に跳ね上がります。統計上の数字だけに安住し、「どうせ自分には当たらない」と高をくくるのは極めて危険な思考停止です。