近年、駆除現場を震撼させているのが、従来の家庭用殺虫剤をものともしない「スーパートコジラミ(ピレスロイド抵抗性トコジラミ)」の蔓延だ。
長年多用されてきたピレスロイド系薬剤に対して遺伝的抵抗性を獲得した個体群であり、都市部で採取される個体の大多数がこの耐性を持つ。ドラッグストアで購入した空間噴霧薬やくん煙剤を不用意に使用すると、死滅しないばかりか薬剤の刺激を嫌って壁の隙間、天井裏、隣の部屋へと逃げ込み、被害範囲を建物全体へ拡大させる結果に終わる。
公益社団法人日本ペストコントロール協会にも「バルサンなどのくん煙剤を焚いたら余計に被害が悪化した」という悲痛な相談が多数寄せられている。アース製薬株式会社などの大手メーカーも、オキサジアゾール系やネオニコチノイド系、あるいは物理的に気門を塞ぐ新規有効成分を含んだ専用薬剤の開発を急ピッチで進めているが、素人判断での薬剤散布は火に油を注ぎかねない。