検診を終えて渡される結果の用紙。ただ引き出しの奥にしまい込んでしまっては意味がありません。行動経済学が指摘するように、人間には「痛みがない限り現状を維持したい」という強い現状維持バイアスが働きます。しかし、歯科疾患は「自覚症状が出たときには手遅れに近い」という非可逆的な特徴を持っています。
検診結果を手にした際、どのようなアクションを起こすべきか、明確な行動指針を提示します。
即座に歯科医院の精密検査を予約すべき人
- 検診結果に「C1〜C4」が1本でも記載されていた人:放置して自然治癒することは絶対にありません。痛みがなくても象牙質まで進行している可能性が高いため、早期治療によって削る量を最小限に抑える必要があります。
- 歯周ポケットの測定値が「4ミリ以上」または「P」と診断された人:歯槽骨が破壊され始めているサインです。自宅での歯ブラシだけではポケット内部の歯石を除去できないため、専門器具による歯石除去(SRP)が急務となります。
- 結果シートに「要精密検査」のスタンプが押されている人:粘膜の異常や噛み合わせの破綻、顎関節の不調など、肉眼検査だけでは確定できないリスクを抱えています。
定期的なメンテナンス(3〜6カ月スパン)の継続で良い人
- すべて「斜線(/)」または「マル(◯)」で、「CO」「GO」のみ指摘された人:削る治療は不要です。歯科医院で高濃度フッ素の塗布を受け、衛生士から正しいブラッシング指導を受けて生活習慣を維持してください。
- プラーク付着率(PCR)が20%未満を維持できている人:セルフケアの技術が非常に優れています。半年ごとの定期健診でバイオフィルム(細菌膜)を機械的に除去するPMTC(専門的機械歯面清掃)を継続すれば、80歳で20本以上の自前の歯を保つ「8020運動」を余裕を持って達成できます。