焼き鳥を最大限に美味しく味わうためには、食べる側の「順番」と「作法」にもセオリーがあります。居酒屋感覚で手当たり次第に頼むのではなく、味覚のグラデーションを意識することが大切です。
注文の鉄則は「塩・淡白な部位からタレ・濃厚な脂へ」流すことです。繊細な旨味を持つササミやムネ肉(抱き身)からスタートし、砂肝やハツといった食感を楽しむ内臓系へ。中盤以降にせせり、皮、手羽先などの脂が乗ったジューシーな部位を挟み、終盤につくねやレバーなどの濃厚なタレ系、そして最後にスープや締めのご飯ものへと繋ぐのが最も理想的なコースの組み立て方です。
また、焼き鳥屋で最も議論を呼ぶのが「串から外して食べるべきか否か」という問題です。結論から言えば、提供された串のまま直接口へ運ぶのが本来の食べ方です。職人は串全体の温度保持や、先端のひと口目に最も強い塩と旨味が来るようミリ単位で計算して焼いています。箸で外してしまうと、せっかく閉じ込めた肉汁が一気に皿へ逃げ出し、表面の温度も急激に低下してしまいます。シェアしたい場合でも、まずは焼きたての1本をそのまま頬張るのが、作り手への最高のリスペクトとなります。