失敗しないあく抜きのカギは、水と重曹の厳密な比率と温度管理にある。プロの料理人が推奨する黄金比は、「水1リットルに対し、重曹小さじ1(約3〜4グラム)」だ。重曹が多すぎると繊維が壊れてふにゃふにゃの食感になり、少なすぎるとアクが十分に抜けきらない。
手順は驚くほどシンプルだが、ひとつだけ絶対のルールがある。それは「火を止めた熱湯を使う」ことだ。
まず、ワラビの根元の硬い部分を切り落とし、綺麗に水洗いして大きめの耐熱バットや鍋に並べる。別鍋で水1リットルを沸騰させたら火を止め、重曹小さじ1を投入して素早くかき混ぜる。シュワシュワと発泡する熱湯をワラビ全体にかかるように回しかけ、落とし蓋(またはラップ)をして浮き上がりを防ぎ、そのまま常温で8時間から12時間ほど放置するのだ。
直火で煮立ててしまうと熱がかかり過ぎて食感が一瞬で崩れてしまう。火を止めた余熱でじっくりと時間をかけることこそが、シャキシャキ感を残しつつ綺麗な緑色に仕上げる秘訣である。翌朝、アクの出た茶褐色の湯を捨て、清水で軽く洗い流せば下処理は完了だ。