知覧特攻平和会館を訪れた来館者の口コミや評判で圧倒的に多いのが、「涙が止まらなかった」「人生観が変わった」という声です。歴史の教科書に書かれた数字や戦局の推移ではなく、一人ひとりの生きていた証が目の前に突きつけられる点に、心を揺さぶられる核心があります。
展示室のガラスケースに並べられた遺書や手紙は、複製品ではなくその多くが隊員たちが直筆で認めた本物です。出撃の前夜、薄暗い三角兵舎の中で、家族、母親、幼い子ども、あるいは婚約者に向けて走らせた筆跡には、震えや墨の滲みがそのまま残されています。「お母さん、私はもうすぐ逝きます」「どうか体に気をつけて、幸せに暮らしてください」といった素朴で純粋な言葉の数々は、軍国主義の美辞麗句の裏にあった、生きたいと願いながらも愛する者を守るために散っていった若者たちの素顔を浮き彫りにします。
また、館内で実施されている「語り部による講話」(1回あたり約30分〜40分)は必聴です。当時の基地の様子や、出撃を見送った知覧の人々の心情、隊員たちの最期の会話などが克明に語られます。文字情報だけでは捉えきれない命の重みが語り部の声を通して胸に迫り、講話室のあちこちからすすり泣く声が漏れるほどです。