海外メディアにおける日本の描かれ方は劇的に進化している。ソフィア・コッポラ監督の名作『ロスト・イン・トランスレーション』が提示したのは、東京という巨大都市での孤立感だった。言葉が通じないもどかしさと、そこから生まれる切ない人間模様。あれがかつてのリアリティだった。
だが現代の作品群は異なった熱量を放つ。HBO MaxとNetflixで配信され世界的ヒットを記録したドラマ『Tokyo Vice』では、主演のアセル・エルゴートが猛特訓の末に本格的な日本語を操り、日米のキャストが英語と日本語を自在に交錯させた。言葉の壁を乗り越えるプロセスの緊張感こそが、世界中の視聴者を惹きつけるエンターテインメントの核となっている。