テーブルに運ばれてきた瞬間、誰もが息を呑み、思わずスマートフォンを構える。看板料理である「マグロ断面刺し」は、選び抜かれた本マグロ(クロマグロ)の魚体を輪切りにし、赤身から中トロ、そして濃厚な大トロへとグラデーションを描く肉質を一度に堪能できる圧巻の逸品だ。
筋の入り方や脂の乗り具合は部位ごとに全く異なる。まずは澄んだ旨味を湛えた赤身をそのまま味わい、徐々に脂の乗ったトロへと箸を進める。さらに卓上の小さな七輪で大トロの表面を軽く炙れば、上質な脂がパチパチと音を立てて溶け出し、スモーキーな香りが鼻腔をくすぐる。一切れごとに異なる表情を見せるマグロの奥深さに、言葉を失うはずだ。