デジタル全盛の時代にあっても、手描きならではのぬくもりと重厚感を持つアナログ表現の魅力は衰えない。透明感あふれる水彩画で鮮烈な花火を描く場合、最大の鍵となるのは「白抜き」と「発色の順番」だ。あらかじめマスキングインクを使って光の芯となる部分を保護し、背景の深い紺色や黒をしっかりと塗り重ねる。乾いた後にマスキングを剥がし、滲みを生かしたグラデーションを重ねることで、夜空に溶け込むような幻想的な光彩が生まれる。
対照的に、速乾性と強い発色力を誇るアクリル絵の具を使用する場合は、「暗から明へ」のレイヤリングが劇的な効果を発揮する。深い漆黒のキャンバスの上に、まずは彩度の低い下色を置き、中心部に向かって徐々に鮮やかな原色と白を厚塗りしていく。この技法を使えば、初心者が陥りがちな「色が濁る失敗」を完全に回避しながら、立体的に飛び出して見えるような圧圧巻の大輪を描き上げることができるのだ。