卓越した映像監督としての評価を揺るぎないものにした背景には、孤独と観察に満ちた原点の記憶がある。幼少期から光と影の移ろいに異常なまでの執着を見せていたというエピソードは、ファンの間でも語り草だ。フレームの隅々にまで意味を宿らせる構図へのこだわりは、当時からすでに芽生えていた。
彼の演出は情け容赦がない。登場人物の弱さ、狡さ、そして不条理な現実に直面したときの痛烈な吐息を、カメラは一切背けることなく克明に捉え続ける。しかし、その冷徹な観察眼の奥底には、傷だらけの人間に対する底知れぬ慈しみが潜んでいる。この二面性こそが、観る者の胸を締め付けて離さないのだ。