高梨選手の美意識に決定的な影響を与えたのが、2016年8月に締結された株式会社資生堂とのスポンサー契約(日焼け止めブランド「アネッサ」等のサポート)です。
雪上という過酷な紫外線環境下で戦うスキージャンプ競技において、スキンケアは単なる身だしなみを超えたアスリートのコンディショニングの一環です。資生堂専属のビューティーディレクターやプロのメイクアップアーティストから直接、肌のケア方法や自身の骨格に合ったメイクレッスンの指導を受けたことで、彼女のメイク技術は飛躍的に向上しました。
公の場や特番インタビューにおいて、彼女はメイクについて次のような実感を語っています。
「自分にとってメイクは、競技に向かうための『戦闘服』であり『気持ちのオンとオフを切り替えるスイッチ』。すっぴんで競技に臨むよりも、しっかり整えた自分になることで自信を持ってスタート台に立てる」
この告白が示すように、彼女にとってのコスメティクスは単なる外見の装飾ではなく、極限のプレッシャーと戦うためのメンタルコントロールの武器となったのです。