物語は、海に転落して死亡したとされる女性・果歩の遺体をめぐる再解剖の依頼から動き出す。溺死として片付けられかけた遺体に対し、不信感を抱いた恋人の鈴木(泉澤祐希)がUDIラボ(不自然死究明研究所)に持ち込んだのだ。解剖の結果、浮かび上がってきたのは事故ではなく、鋭利な刃物による刺傷。警察の雑な捜査が死因を見落としていた事実が判明する。
ただの過失か、それとも故意の隠蔽か。この時点で物語は単なるサスペンスの緊張感を孕むが、真の恐怖はその裏に隠された犯人の冷酷さと、遺族の底知れぬ孤独にあった。真実が明かされるにつれ、観客は「死因」を突き止める法医学の厳粛さと、真実を知ったことで解き放たれてしまう人間の業(ごう)の対比に息をのむこととなる。