かつての澤部といえば、ノリボケ漫才で見せる「大きな声と勢いのあるツッコミ」が代名詞だった。しかし、キャリアを重ねるにつれ、彼の芸風は静かに、かつ劇的に変化している。現在の彼は、自らが前に出て大声を出す場面を意図的に減らしているように見える。
いわば「引き算の美学」だ。自分が喋らない時間を作り、周囲のタレントや文化人にスポットライトを当てる。そして、ここぞという瞬間にだけ、切れ味の鋭い一言を放つ。この引き際の見事さが、番組全体のクオリティを一段上に引き上げている。若手時代の泥臭さを残しつつも、大人の余裕を醸し出すその姿は、同世代の芸人たちの中でも際立っている。