日本の酪農業は今、飼料価格の高騰や急激な気候変動に伴う生産コストの増加という厳しい荒波の渦中にある。生乳は生き物である牛から毎日絞り出されるため、蛇口をひねるように生産量を急激に止めたり増やしたりすることは構造上できない。学校給食がストップする長期休暇や春先には、処理しきれない生乳の需給ギャップが毎年のように課題として浮上する。
こうした状況を打開すべく、農林水産省と一般社団法人Jミルクが主導して立ち上げたのが「牛乳でスマイルプロジェクト」だ。官民が一体となって消費拡大を呼びかけるこの枠組みには、乳業メーカーのみならず小売り、外食、異業種企業までが多数参画。従来の「ただ飲む」という啓発から脱却し、現代のライフスタイルに合わせた多面的な消費提案が加速している。