1974年に竣工した新宿三井ビルは、当時として東洋一の高さを誇る地上55階・地下3階、高さ約225メートルの超高層ビルとして日本のビル建築史にその名を刻みました。外壁のブラックサッシとX型の耐震ブレース(筋交い)が織りなす力強い外観は、西新宿のビル群の中でも際立つ個性を放っています。
単なるオフィス空間の提供にとどまらず、ビル低層部にはオープンエアの吹き抜け広場「55ひろば」を配置。緑や水辺を感じられる立体的なオープンスペースを半世紀前の設計段階から組み込んでいた点は、日本の都市計画における先駆けと言えます。ビジネスの拠点でありながら、地域に開かれた憩いの場としての役割を両立させてきたことが、現在も変わらず高い支持を集める根底にあります。