近年、ドラムサウンドに対する要求は劇的に変化した。自宅やプライベートスタジオでの音楽制作が主流となり、さらにYouTubeや各種SNSで自身のプレイ動画を配信するドラマーが急増したことが背景にある。
スマートフォンやPCの小型スピーカー、あるいは完全ワイヤレスイヤホンで聴取されることを前提とした音作りでは、低音の量感以上に「中高域のアタック感」と「余計なリングミュートを排した自然な減衰」が求められる。かつてのように大音量のギターアンプに対抗するためだけの音量重視から、デジタルミックスの中で埋もれずに主張できる分離感の良さこそが、今求められる「抜ける音」の定義となっているのだ。