かつてガラス製造で培った精密制御とスケールアップ技術を、バイオテクノロジーへ転用する。一見突飛に見えるこの賭けを結実させたのが、米欧を中心に拠点を広げるAGC Biologicsだ。遺伝子治療薬や抗体医薬品のCDMO(開発製造受託)市場において、グローバルプレイヤーの一角に食い込んでいる。
巨額の設備投資と厳格な品質管理が求められるバイオ事業は、ボラティリティも高い。しかし平井体制下での積極的なM&Aと設備増強により、ガラスや化学に次ぐ「第3の柱」としての存在感を急速に高めてきた。伝統的製造業の枠組みを超えたこの挑戦こそが、AGCのポートフォリオ変革の象徴と言える。