消費者が最も警戒すべき盲点の一つが、中国製バッテリーの発火事故と安全性にまつわる問題です。独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)や消費者庁の事故情報を精査すると、モバイルバッテリー、コードレス掃除機、電動アシスト自転車の互換バッテリーによる火災事故が定期的に報告されています。
これらの発火事故を引き起こしている製品の共通点は、「過度なコストダウンのために保護回路(BMS)を省略・簡略化していること」と「品質の劣るリサイクルセルを使用していること」です。外見は綺麗に成形されたプラスチックケースであっても、内部を開けるとセル間の絶縁処理が甘く、衝撃や熱でショートする構造的欠陥を抱えています。特にAmazon等のマーケットプレイスで出回る「激安・大容量」を謳う互換バッテリーは、火災事故の温床となっており、注意が必要です。
さらに深刻なのが、中国製品の見分け方と産地偽装の手法が巧妙化している点です。消費者の中国産敬遠の心理を逆手に取り、以下のような手法で原産国を偽装・誤認させるケースが報告されています。
- 第三国経由の原産地ロンダリング:中国本土で製造された部品をベトナムやタイなどの東南アジア諸国に輸出し、現地で簡単な最終組み立てや箱詰めだけを行って「Made in Vietnam」と表記する手法。
- PSEマークの無断印字(偽造):日本の電気用品安全法が義務付ける「PSEマーク」を、第三者機関の適合性検査を受けずにラベルへ無断印刷して販売する悪質事業者。
- 日本語ブランド偽装:運営会社の実態は深センや広州にありながら、日本の東京や大阪にペーパーカンパニーを設立し、「日本ブランド・日本監修」を前面に出してECサイトで高値販売する手口。
ネット通販で商品を購入する際は、単に「日本企業が販売」「日本語の説明書付き」という謳い文句を鵜呑みにせず、輸入事業者名が明記されているか、国税庁の法人番号公表サイトに実体のある企業として登録されているかを確認することが不可欠です。