「面食い(めんくい)」とは、交際相手や結婚相手を選ぶ際に、相手の顔立ちや容姿の美しさを最重要視するタイプの人を指す俗語です。日常会話では「あいつは根っからの面食いだ」「私は面食いだから妥協できない」といった使われ方をします。
漢字表記を見ると「麺類を好んで食べる(麺食い)」と混同されがちですが、本来の語源は全く異なります。有力な説として知られているのが、能楽や歌舞伎など伝統芸能の世界で使われていた仮面や顔立ちを意味する「面(おもて・つら)」に、好んでそれを選ぶ・受け入れるという意味の「食う」が組み合わさったというものです。
また、不意を突かれて驚くことを意味する「面食らう(めんくらう)」から派生し、「美しい顔立ちに圧倒されて惹きつけられる様子」を表すようになったという説も存在します。いずれにせよ、江戸時代から近代にかけて庶民のあいだで使われ始め、昭和中期以降のメディアを通じて恋愛用語として完全に定着しました。